第9回 カード決済 〜医療でカードが定着するのか?〜


【カードが使えますか?】
 今や病院でも診療所でも「カードは使えますか?」と質問される時代になりました。切符もカードで買え、コンビニでもカードが使えます。カードが使えないところを探す方が難しいほど我が国でもカード決済が普及しました。先日ハワイに行ったのですが、ハワイでは水一本からカードで決済しています。我々がSuicaやPasmoで水を買うように、少額からでもカードを使う時代となったのです。


【手数料を嫌って、診療所ではなかなかカード決済は進まない】
一方、病院では自動精算機が普及するにつれてカードが使えるようになってきました。カードが使えることで高額な入院費や手術代、検査代と行った数万円を越す支払いが慌ててATMに行かなくてもできるようになりました。しかし、これはあくまで病院の話です。クリニックにおいては、支払額はせいぜい1000円, 1500円、整形外科などでは高齢者は110円を握りしめてリハビリに訪れます。そのような少額な費用をカードで決済されるとカード手数料が大きくクリニックの負担となります。現在、カード手数料は3〜5%程度です。この手数料は全額事業者の負担となり、利用者に負担させることはできません。


【自費と遠隔診療はカードが使える】
 これを嫌って、診療所では自費の比率が高い医療機関が中心的にカードを導入してきました。例えば、インプラントを手がける歯科、美容整形、美容皮膚科、手術の多い眼科といったところが中心でした。それともう一つ、遠隔診療でも、お金を後で持ってきてもらったり振り込んでもらったりすることが未収につながることから、カード決済を認めています。ほとんどの遠隔診療のシステムはカード決済をベースに考えられています。実は、この自費と遠隔診療でのカード決済の普及が着実に進んでいるのです。


【カード決済は患者さんの利便性向上につながる】
 カードの手数料が高いからカード決済は行わないと考える経営者と、カードが使えないと患者がいなくなると考える経営者、この違いがじわじわとボディーブローのように診療所経営に影響していくのです。まず考えるべきは、患者さんがどう捉えるかです。少し予言的なことを申し上げますと、今患者さんは予約システムがあるクリニックを選びます。そしていずれ、遠隔診療があるクリニックを選ぶようになるでしょう。さらには支払いがカードでできるという診療所が選ばれるようになるのではないでしょうか。


【患者さんのためにカード決済を導入すれば、患者増と単価増】
 カードが普及すれば、手持ちの現金がなくてあきらめていた検査や治療に思わず手が出ますので、確実に平均単価は上がりますので、患者さんの支払額は多くなります。その結果、手数料がそれほど負担にならなくなるかもしれません。結果的には収益のプラスが見込めるのです。誰でも知っているクリニックの経営公式、「患者数×単価=売上」「売上ーコスト=利益」。目先のコストを嫌ってみすみす患者減単価減を招く可能性があるのです。カード決済は患者を増やし単価を上げると考えれば、一時期のコストは目をつぶるという答えが出てくるのです。診療所にとってカード決済を入れなくてはならない時代が今訪れようとしています。


【まとめ】
1)世の中はカード時代、診療所が一番遅れている。
2)自費と遠隔診療がカード決済の普及を牽引する
3)カードを導入しないと売上が下がるかもしれません。将来的には。。。

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