第5回 問診票の活用 vol1. 〜なぜ問診票は紙だったのか?〜


【診療における問診の位置づけ】
診療における問診は、患者様の主訴集めのために行われるものです。通常、紙の問診票か人による予診と呼ばれる口頭問診で行われます。患者さんが何に困っていて、それがいつからかという情報が中心になりますが、それ以外にも既往歴や家族歴、アレルギーの有無、薬歴、妊娠の有無といった特記事項についても確認します。また、予約との関係ではあらかじめ予約時にこの情報を得ていれば、スムーズな受付、診察が行われるようになり予約の効果も高まります。予約を取って時間通りに来院してすぐに診察を受ける、この流れが確立するのです。


【現在、なぜ問診票は紙なのか?】
 電子カルテシステムの普及が進んでいるにもかかわらず、いまのところ問診票は「紙のまま」で運用している医療機関が多いのが現状です。これまで電子カルテシステムを導入しても、問診票は紙のままであったのかは、患者さんのITリテラシーと入力デバイスに大きな関係があったようです。
 患者さんの多くは高齢であったり、小さな子供であったりしますし、ましてや病気でフラフラな場合もありますから、問診票をパソコンで入力させるのは非常に酷なことです。
 また、パソコンは誰でも操作できる端末ではありません。キーボード入力が苦手な方は多くいるでしょう。そのため、誰でも簡単に入力できるリテラシーを問わない端末の出現が長らく待たれていたのです。(最近では、スマホやタブレットの出現により、誰でも使える端末に近づきつつありますが。)そのため、誰でも操作可能な紙が引き続き使われていたのです。


【問診票が紙であるメリット】
問診票が紙であるメリットは、まず誰でもが使えるリテラシーフリーであることが挙げられます。日本人は文字が書けない人がほとんどいません。また、単一民族ですから、日本語でほとんど通じます。そこで、紙の日本語の問診票があれば大抵は情報獲得が可能となります。
しかし、余談ですが、再来年にオリンピックが東京であります。また、観光立国日本を目指していますので、急激に外国人観光客や外国からの移住者が増えています。ちらほら、クリニックにも日本語を話せない外国の方が来院されるようになってきています。せめて、英語の問診票は必要になることでしょう。
また、紙はコストがほとんどかかりません。さらには、同時に多数の患者さんの問診を取ることが可能です。例えば朝の混雑時にはいっぺんに10人の問診を取らなければならないこともあります。そんな時にパソコンでは台数が足りなくなってしまうのです。スペースの問題も重要でタブレットの出現前はパソコンしかありませんので、固定された問診スペースを用意する必要があったのです。紙であれば待合室のソファーで簡単に記入できるのです。


【問診票が紙であるデメリット】
次に、問診票が紙であるデメリットですが、患者さんの書かれた文字は達筆で判読不能なものも多々あります。また、記載漏れも多く、結局受付で再確認している様子をよく見かけます。問診票に書かれた情報は、他人に聞かれたくない超プライベート情報にもかかわらず、デリカシーのない受付さんは大きな声で問診票を確認しています。これはいただけない事実です。
さらには、紙カルテの頃は問診票をカルテに貼り付けて管理を行っていました。しかし、電子カルテになるとカルテファイルがありませんので、スキャナーで取り込むかテンプレートに入力するかいずれかの処理を行わなければなりません。また、入力後の紙は、プライベート情報のためシュレッダーにかける必要があります。これは、受付さんにとっては大きすぎる手間です。
問診票の内容を転記する際、多くの電子カルテが問診という入力スペースを用意しています。そこに、テンプレートなどを使って、入力するのですが、早い人でも1分から3分の時間がかかります。朝の忙しい時はこの作業が待ち時間の超過につながってしまいます。


【まとめ】
1)問診票が紙である理由は、ITリテラシーと入力デバイスの問題
2)問診票が紙であるメリットは、誰でも使用できること
3)問診票が紙であるデメリットは、電子カルテの転記が手間であること

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