第11回 IT経営のススメ 〜ビッグデータって活用できるの?〜


【医療のビッグデータにまつわる昨今の現状】
 最近、「AI」と「ビッグデータ」は対のようにたくさんのセミナーが行われています。「AI」は、人工知能、「ビッグデータ」は膨大な情報の処理解析と言えば、両者が似たカテゴリーであることがわかるでしょう。今回は医療のビッグデータについて考えてみたいと思います。


【カルテは記事とコストがある、コストの方が解析しやすい】
 カルテに書かれた情報は記事と呼ばれるSOAPと、コストと呼ばれる診療メニューに分かれています。SOAPは診療メニューの根拠(エビデンス)を意味しています。これらの情報をビッグデータとして取り扱う場合、まず個人情報の排除を行う必要があります。マスキングという技術です。次に、あるルールのもとに、情報を整理することが必要となります。そのため、長らくルールがあまりない記事側の解析はなかなか進んできませんでした。


【レセプトチェックにAIが組み込まれる!?】
 一方、診療報酬という明確なルールが存在するコスト側はいくらでも解析ができるようになっています。最近、レセプトの審査が厳しくなったように感じるのは、チェック機関である支払基金や国保中央会にレセプト点検システムが導入され、人間の目ではとても見つけることができない精密なチェックが可能になったのです。さらには、近い将来AIを搭載したレセプトチェックシステムも導入が予定されています。複雑なルール、疑義解釈、様々な事例、それらをAIが学習してチェックを行うのです。人間では、とてもかないません。経験則から通る通らないと四苦八苦してきた現場は、いまAIが乗っ取ろうとしています。


【記事だって、問診とテンプレート、AIで解析可能】
 それでは、これまで記事の分析については医師が定型的に書くということをしてこなかったことから非常に難しいと考えられてきました。しかし、この流れに待ったをかけるのが問診診療テンプレートといったパソコンならではの仕組みを活用することで、患者さんの情報を一定のルールのもとに収集でき、それに対して医師がどう考えたかをカルテのテンプレートから拾うことができるようになりました。コストと同じように、ルールのもとに情報を整理すれば、ビッグデータは使いやすくなります。さらに、AIという技術がイレギュラーな情報さえもルールのもとにおさめてくれるので、ビッグデータははるかに使えるデータとして生まれ変わろうとしています。


【10年後にはAIドクター出現か?】
 これから、10年後の未来にはAIドクターがインターネットにいて、まずはそのドクターに聞いてから病院に行く(遠隔診療を受ける)という時代が来ると予測します。


【まとめ】
1)ビッグデータとAIは密接にリンクして活用する
2)一定のルールがあれば、AIで解析は可能
3)AIがあれば、ルールすら自ら作り出す

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